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PWJ書庫
弟のゼッケンと私
その夜、ポピーはジュニアの体育服のゼッケンを縫っていた。
そこへ。
「兄ちゃん」
弟のジュニアがやってきて、服の裾を引っ張った。
「おうどうしたジュニア」
ポピーが振り返ると
「⋯可愛い弟が抱っこしろって言ってるのに無視するんですねそうですね」
とジュニアがふてくされている。
「え!!!? い、言ってたか!!?ごめんな、全然聞いてなかった!!」
ポピーは驚いて謝ったが、ここにカメラが回っていれば⋯弟は何も発言していないか、おそらくものすごく小さな声で言っていたのだろう。
集中している兄の耳に、それが届くはずもない。
「ちょっと待ってくれ。今針いっぱいあって危ないから⋯一分くれ」
「あーーーーやってくれないんだ!!兄ちゃんの育児放棄!児相!児相!」
ジュニアは文句を言い出し
「わかった30秒な!」
ポピーは刺さったら危なそうな針だけよけると、
ジュニアを抱き上げると
「お待たせしましたジュニアさま」
頭を撫でる。
「⋯」
素直に撫でられながら、兄の縫った体育服を見つめるジュニア。
「⋯遅くまでありがとうね」
ボソリ。彼はそう言った。
「なんだよ、あたりまえだろこれくらい」
ポピーはそう返すが
「⋯あたりまえじゃないもん」
ジュニアは、クラスのお母さんたちが、面倒だとかアイロンプリントにしろとか文句を言っているのを、友だちづてに聞いていたのだった。
「⋯?」
それを知らない兄は不思議そうな顔をして、
「⋯そうだな、あたりまえじゃないよな」
弟をもう一度抱きしめるのだった。
「こんなに可愛い弟と、毎日一緒にいられるんだからさ♡」
「気持ち悪い」
「エッ」
ポピー家は、今日も平和だ。
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