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ジュニアンの手紙-1
兄貴へ
「元気か?」
なんて死んじまったやつに聞くのは本当におかしな気分だよ
あんたも驚いただろ?
これはウィリえもんが出した「いまさらレターセット」なんてふざけた名前の道具で、
書いた手紙が死者に本当に届いちまうってとんでもなく怪しいシロモノなんだ
だけど 俺は 時間遡行のルールで
家族を亡くしたばかりの人間だから
過去へ行くことを禁止されているんだ
だから、こんな道具に頼らなくちゃならなくなったんだ
本当はあんたに山ほど謝りたいのだけど
推奨ルールに「謝罪の言葉を避けるのが望ましい」ってのがあってさ
少しでも返事をもらえる可能性が上がるならって思ったら、俺はあんたに謝ることができなくなっちまったんだ
あんたも遺書で、何度も何度も謝っていただろ
もうあんたも、誰にも謝らないでほしい
あんたが自分で自分自身を許してやれないのなら
俺はあんたがいつかそうできる手助けになれるようこの手紙を送りたいと思ってる
あんたは立派だった
地獄みたいな家の中から、俺に普通をくれたんだ
ウィリえもんにだって、単なる乗り物じゃなくて、だいじな相棒として慈しんでたんだろ
だからあいつはあんたのことを知りたくて今、ひとりで過去へ向かってるんだ
そこまでしてくれるくらいあんたは生きることを望まれている
なのにそんなあんたが「生まれてきてごめん」なんて思って死ぬのは、おかしい話なんだ
俺はあんたをそっちに連れてった死神を一生許さない。
あいしてるよ
大好きだよ
あいしてるよ
あんたは何度も書きかけて消していたけど
伝わってたよ バカみたいに
あんたが最後に遺書に記せなくっても
俺は知ってるよ
あいしてるよ バカ兄貴
あんたが化けて出てくれるのも
返事をくれるのも
ずっと待っているから
今はその傷ついた魂を ゆっくり 充分に休めてほしい
俺を育ててくれてありがとう
命をかけて守ってくれてありがとう
お前の弟に生まれて俺は本当に幸せだ
ここまで読んでくれてありがとう
あんたの愛する弟
ジュニアン