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兄弟げんかに休息を
「ウィリえもーん!!ジュニアンの反抗期の言葉が鋭いよ!!なんとかしてー!!」
ポピ太(ぽぴた)のわめき声が部屋中に響いた。
彼は少々情けない雰囲気が漂うが、いい大人であり、高校生の弟ジュニアンを育てる保護者でもあるのだ。
「ポピ太くん、たまには便利な道具に頼って、自分を楽にしてあげたらどうだい?…です」
彼に抱きつかれているウィリーバイクが答えた。
彼女は普段は大型の青いバイクの姿をしているが、彼らの部屋に入るときは…“浴びると小さくなるあのライト”的なもので一回り小さくなっている。
「だってだってだって、それじゃジュニアンにお前が大事だって伝わんないかもしんないじゃん!!!」
ポピ太がそう叫ぶ。
ちなみに、実は先程無言で帰ってきていた当のジュニアン本人は、先程の会話を全部聞いていた。
彼は盛大にずっこけると、
「腐るほど伝わってるからそいつのいうこと聞きやがれバカ兄貴!!」
とブチ切れた。
「うわっ!!ジュニアン、帰ってたのか!?」
ポピ太は驚き、そしてはっとして、青ざめた。
「あの…ごめんな? 反抗とか…は、ほら、健全な成長じゃん?兄ちゃんすっごい嬉しいからやめろってわけじゃないのよ?? ね? 気にしないで♡ なーんて」
彼はごまかそうとしたが、
「うるせえ!! お前はいっつもいっつもその愛情とやらがうるさいから俺が反抗しなかったら根が腐れるんだよ!!」
火に油を注いでしまったのか、ジュニアンは激怒した。
「わ~~んごめんなさい~!!!」
ポピ太は頭を下げて謝った。
「おいポンコツ!とっととこいつを黙らせる道具だせ!!」
ジュニアンの一睨みと怒声に、ウィリえもんは、はいはい、ととくに怯む様子もなく、
『ノディじるしのねむりごな〜です〜』
と、お馴染みのエフェクトとBGMがなる中、タンデムボックスをパカっと開けた。
「ノディじるしの…ねむりごな?」
兄弟は顔を見合わせた。
「ジュニアンくん、それをポピ太くんにふりかけてください」
「え?お、オレに!?」
「オラァ眠れ!!アホ兄貴!!」
ジュニアンは袋を開けると兄に向かって粉をぶっかけた。
「うわっぷ…!!! あー⋯だめだ⋯。ね、ねむい⋯ガクッ」
ポピ太は倒れ込むと死んだように眠ってしまった。
「おい…大丈夫なのか?これ」
ジュニアンはウィリえもんを見る。半ば勢いでやってしまったが、危険な成分とかが入ってなかったのか不安になってきたのだ。
「ノディという、眠りを司るいきものの不思議なちからが込められているので、体への影響はありません」
ウィリえもんはそう説明した。
「チッ」
ジュニアンは舌打ちし、兄を担いで運ぶとベッドに放り込み、せっせと布団をかけた。
「ったく世話の焼けるアホ兄貴だぜ!」
彼はそういい捨てて、部屋を出ていこうとした。
と、
「…」
ウィリえもんがその様子をじっと見つめていた。
「あ゛んだよガラクタ!!」
ジュニアンが怒鳴ると、ウィリえもんは、
「ジュニアンくん⋯お兄さんをお布団に寝かせてあげるなんて⋯優しいですね。」
と彼女は微笑みながらほろり涙を流した。
「うっせーな!!あんたじゃ手がなくてしてやれねーから仕方なくやってんだよ!!」
ふん、と鼻息荒く出ていくジュニアン。
そしてそれを涙を流しながら見送るウィリえもんだった。
⋯ありがとな ウィリえもん
兄ちゃんのこと 助けてくれて