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心のかえる場所

ポピーが地上へ上がると、
そこは夢の泉に通じていた。 潜水フォームのウィリーはそこにいて、すぐにポピーのそばに泳いできた。

泉のほとりには、泉に浸かる大人の自分と、そばには誰かがいて、兄の肩を支えていた。

「おかえり、兄ちゃん」
それは大人になった、

「ジュニア⋯?」
現在弟のジュニアは中ボスの試験を受けてSr.の姿にはなっていて、ポピーと背丈は同じくらいだ。
ポピーは初めて見る弟と、ずっと抱えてきた巻貝を交互に見ていた。

大人のポピーは子どものポピーに
「ごめんな。ずっと、暗いところに閉じ込めて」
そう言うんですね。

「⋯」
子どものポピーは巻貝を抱きしめて動かない。
「⋯今更必要だって言われても、戻らないよ」
彼はそう言ってそっぽを向く。

「ああ。⋯そうだよな。
本当に今更なんだ。⋯時間が経ちすぎた。
戻ってきてくれなんて、都合いいよな」

「⋯」

「でもお前は、浮かんできてくれた。
何一つ、失ったものはもどらない。
たぶん、傷もふさがらない。
それでも⋯」

「ようやくお前に、ここにいていいって言えるようになったよ」
大人のポピーがそう言って、子どものポピーを抱きしめた。

「本当に長い間だった。だけど、⋯ありがとう。生きていてくれて」

子どものポピーは目を閉じると
「もう、心はいらないなんて、言わないでね」
そう言って、大人のポピーに吸い込まれて消えた。
彼の持っていた、巻貝が泉にぽちゃんと落ちる。

「⋯これは?」

彼がそれを拾うと、夢のなかで弟が言ってくれた言葉がきこえる。
「ウィリーが持ってってくれたのか」
彼はそうつぶやいた。

★
「ありがとう、ふたりとも。付き合ってくれて」
帰り道、ポピーはふたりに礼を言った。
ウィリーはいつものバイク型に戻り、兄弟についていく。
「これくらいあたりまえだよ。地獄みたいな家から一人で育ててくれた兄ちゃんなんだよ? 弟の責務ってやつでしょ」
ジュニアが胸を張って。
ポピーはそれをきいて
「⋯あたりまえなんかじゃないよ」
そうつぶやく。
ジュニアはそれをきいて「そうだね」と頷くと
「こんなにかっこいい兄ちゃんの弟に生まれるなんて、あたりまえじゃないよね?」
ニッと笑ってみせた。
「おいおいやめろよ。お前そんな直球で褒めたことなかったじゃん」
ポピーは真っ赤になると、
「ジュニアくん、反抗期が終わって堂々とお兄ちゃん子できますね」
ウィリーもニコニコとそう言って
「そーなの!修行も無事終わって、中ボスにも昇格して、反抗期卒業しましたから!」
「かんべんしてくれー」
賑やかに小さくなっていく三人を、スターロッドは穏やかに見送っていたのだった。

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