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◆◆◆
バンダナワドルディの部屋

ノックの音

「バンダナ君、具合はどうだい?」

「…開いてるよ…」

弱々しい声が帰ってきた。
ドアを開ける。

先程の手合わせの疲れが来たのか、彼はベッドの中だった。

起こしちゃったかな?
と、少し心配になる

「ドゥ、あの…」
布団の中からバツの悪そうな顔をしているバンダナワドルディに

「バンダナ君、明日は大王さまが手合わせしてくれることになったよ。強くなった君を見てみたいって」

「ええっ!?」
バンダナワドルディは驚いて目を丸くした。

「だから、今日はよく休んで明日に備えてね。
疲れが残ってたら、延期するそうだから」

「…う、うん…!」

「じゃあ、おやすみ」

いつも通りのお休みを言って、ワドルドゥは部屋を出ようとする。


「あ、待って」

「?」

「さっき、ごめんね。怪我させないって言ったのに」

ワドルドゥは包帯を巻いたままだった。
怪我はトマトで治ったが、傷を見たワドルディたちのショックが大きかったので、彼らの頼み込みで1日巻いておくことになってしまったのだ。

「全然気にしてないよ」

ワドルドゥは笑う

「それだけ強力な技だったってことさ。
それに、君だって痛かったはずだから…」

「とんでもないよ! ボクが頼んだことなんだし」

バンダナワドルディはいつもの元気を取り戻したようだ。


「ありがとうね…! 今日は」

「…」 
その笑顔と言葉に、ワドルドゥは心が救われたような気持ちになった。


「…役に立てたのなら」

…よかった。

ほっと胸を撫で下ろす。


「じゃあ、明日ね?」
ワドルドゥはそう言って、ドアノブに手をかける。

「うん、おやすみ」
ワドルディはそう言って、またベッドに潜り込んだ。


…大王さまが、ボクと手合わせを…!

バンダナワドルディは目をキラキラさせていた。


楽しみすぎて、今夜は眠れないかもしれない。
でも、ちゃんと休んどかないと…手合わせしてもらえないし…

あーっ…どうしよう!!?

布団の中でゴロゴロと転がる彼だった。



(ここまで)

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