星咲く宇宙を君と
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デデデ大王は屋上で星を眺めていた。
ワドルドゥは彼に今日の出来事を報告しているところだった。
「珍しいな、お前らが喧嘩するなんて」
「…喧嘩ではありません」
ワドルドゥは否定した。
「彼の希望で…手合わせを」
「ああ、わかってる。あいつが許可を取りに来たからな。
分野が違うのに、無茶しやがって」
デデデは両手を上げ、首を振る。
「まあ、意味がないわけではないけどな。
お前ら魔法タイプは使った分体力を消費するから、必ずしも有利ってわけじゃない」
「…はい」
「そして、自分より弱い相手との手合わせも…別になんの意味がないわけでもない。
無駄な力を使わず戦う練習にはなるし、力でねじ伏せる以外に相手に『負けた』と思ってもらうための手数を増やすのに役立つ。そういう目的で、付き合ってやるのも手ではあるな」
「…たしかに」
「だが、お前は殺意をセーブしながら戦うのが苦手だろう?」
「え?」
「つまりな、必ずし倒すと決めた相手には全力で向かえるが、守る対象だと思っている相手に向かうことはできない。それは、お前にとって戦闘そのものが、遊びではなくて殺し合いってことだからだ」
…守りたい人の幸せを邪魔する者を排除するための行動。
ワドルドゥは驚いて、
「…そんなにわたしに殺意を感じますか?」
「まあ、時々な」
「…」
自分でも気づかなかったことを指摘されて、ワドルドゥは考え込んだ。
「いや、それでいいんだよ。
オレさまもあまり不向きなことはすすめん。
お前はバンダナとは、競うよりも、協力する相手になってやれ」
デデデはそう言って、
「…今までと変わらずな?」
と続けた。
しかし、
「…そうですか…」
…僕らは、大王さまとカービィのように、
競い合って成長する間柄にはなれないってことなのか。
ワドルドゥは、バンダナワドルディに申し訳なく思っていた。
デデデはそれに気づくと、手を打った。
「よし、わかった。
じゃあ、バンダナに伝えておいてくれ」
「? 何をですか?」
「明日はオレさまが相手をしてやる、とな。
ハンマーと槍術、同じ物理タイプなら、勝負のしがいがあるだろうさ。」
ワドルドゥはそれを聞いて驚いたが、同時にバンダナワドルディが喜ぶ顔も浮かんだ。
「ただし、あいつの体力が戻ってたら、だからな?」
デデデは念を押す。
「かしこまりました」
彼はそう言うと、深々とお辞儀をして、部屋へと戻った。