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◆◆◆



「手品を教えろだって!?」
ポピーブラザーズSr.が素っ頓狂な声を出す。

「お願いします」
バンダナワドルディは頭を下げた。

デデデ大王の部下として協力し合っている二人なのだが、元々の性格や主君への忠誠心の違いからよく対立している。

ポピーはバンダナワドルディを「チビ」と言ってまともに呼ぼうとしないし、バンダナワドルディは彼の軽さや失礼な態度に腹を立てることが多かった。 

そのため、デデデを支えるための仕事はそれぞれこなすが、お互い好んで一緒にいるようなことはほとんどない。

そんなバンダナワドルディの頼みだ。
ポピーは内心悪い気はしていなかった。
だいたい理由も想像はつく。

「手持ちできる槍の数を増やしたいんです」

…やっぱりなー…

ポピーはため息をついた。

プププランドにカービィがやってきてから、デデデ大王はカービィとの勝負に明け暮れるようになった。
あの二人についていこうとでもいうのだろうか。

それまでは何の武術もしてこなかったバンダナワドルディは、本格的な槍術を熱心に練習している。

「…あのねぇ、そんな1日2日で覚えられるもんじゃないのよ?」

「1日でなんて思ってません」
バンダナワドルディは即答する。

「100日でも、200日でもかまいません!」

「そんなに付き合えねーよ!!」

ポピーは頭をかくと、
「しょーがねーな。教えてやるよ」
と答えた。

「ありがとうございます!!」

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