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【ドゥディ】僕の女王様

支部にup済。前々回の手合わせで、バンワド君が「怪我させたらなんでも言うことを聞く」という約束を果たす話…だったのですが、
隊長がバンワド君にSMぽいことをさせる話になってしまいました。
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【ドゥディ】僕の女王様

【ドゥディ】僕の女王様

前々回の手合わせで、バンワド君が「怪我させたらなんでも言うことを聞く」という約束を果たす話…だったのですが、
隊長がバンワド君にSMぽいことをさせる話になってしまいました。もちろん、女王様役はバンワド君です。
左側のキャラの♡マーク喘ぎみたいなのがちょっとあります。




◆◆◆




「何の話だっけ?」

ワドルドゥはすっとぼけた。

「もう、忘れたの?」
バンダナワドルディは膨れる(?)と、

「この前手合わせしてもらったときに、怪我させちゃったでしょ? 何でも言うこときくって言ったの、覚えてない?」



ワドルドゥは動揺しても、デデデ大王のように、お茶を吹き出したりはしない。
カップに注いだお茶の水面が、少しだけ揺れた。

「あんなの、君にも怪我させたからおあいこだよ」

そう言って、改めてお茶を飲む。

「でも、君は怪我したくないって言ってたのに、無理して戦わせちゃったし…」

忘れてくれてラッキーと思ったっていいのに、約束はしっかり守る彼である。
そもそもそんな目的で承諾したわけじゃない。



「それなら ひとつ、…お願い聞いてもらおうかな」

「? 何なに??」
バンダナワドルディの、瞳が輝く。

彼にとってワドルドゥは、普段は自分の弱音をきいてもらって、色々と助けてもらっている親友だった。
しかし、その一方で、ワドルドゥの方からは、何か悩みを話したり、頼み事をしたり…ということはほとんどなかった。
今回の手合わせも、やや強引に自分のわがままに付き合わせてしまった…とバンダナワドルディは思っていた。

今度こそ、何か彼の力になれるかもしれない。
バンダナワドルディは続きを待った。

ところが。

◆◆◆

「これを着て僕を罵ってくれない?」

ワドルドゥが持ってきたのは、
『女王様セット』と書かれた箱だった。

「…は?」
おそらくバンダナワドルディにとって、未だかつてしたことのないような引きつった顔、そして低めの声が出た。

「え、待って? これ…確か痛いことするやつだよね?」
鞭でひっぱたいたり、ろうそく垂らしたりとか…

「そうだよ?」
よく知ってるね? とワドルドゥは頷く。

「…えぇ…」
バンダナワドルディはめまいがしてきた。

…どういうこと…?

…え? 趣味か? 趣味なの??
これが? 君の…?

…聞いてないよ…? 全然、聞いてない…

「へー…そういうのが好きだったんだ…?
で、でもそれなら、ボクなんかより、『そういうお店』に行ったほうが、きっと楽しめるんじゃないかな…?」
ははは、と引きつった笑顔で答える。

「いいや。君だからいいんだよ」
ワドルドゥが力強く言う。

「おかしいよね!??」
バンダナワドルディは即答すると、

「こ、これは明らかに、こ、…こいびととかに頼むやつなんじゃないのかなぁ?? そうでしょ??」

「こいびと…?」

「?マーク浮かばないでくれるかな!!!」

バンダナワドルディは頭を抱えると、

「聞いてもいい…? 君は…、ボクをなんだと思ってるの…?」

「!」





「…と、友だちだよ?」
ワドルドゥが迷ったあげくなんとか言葉にすると、

「だよね!??」
とバンダナワドルディは即答して

「…君は友だちにこういうことしてもらって嬉しいの…?」

「…」


「嬉しい…♡」

「…ねえこの際『友だち』の定義についてしっかり話し合わない?」
 

◆◆◆

「それで、どうかな? やってくれるかい?」
ワドルドゥはたずねる。

「やだよ!!!」
バンダナワドルディは即答した。

「やらない!! こんなのボク絶対やらないからね!!!」

「…そうかー…」
ワドルドゥは残念そうだったが、

「ならいいよ。別に無理強いするつもりはなかったから。
変なことお願いして、ごめんね?」

と微笑んで、箱を取り下げる。

そして、

「次からは『なんでも』、なんて簡単に言わないようにね?」
と、くすりと笑った。

「!!!」
 

「じゃあ、僕はこれで」

「待って」

「? どうしたの?」

「ッ…」

「?」

「貸して、それ…」

「えっ!」
ワドルドゥは驚いて、

「…大丈夫? 無理しなくていいんだよ??」
と声をかけた。

「やるよ!やればいいんでしょ!?」
バンダナワドルディは箱を奪い取る。

「やりたくないけど…君が…してほしいって言うんなら…」

内容はともかく…
めったにしてこない、親友の頼み事だった。
応えてやりたい。それもまた彼の願いだったのだ…。


「やったー」
ワドルドゥは無邪気に喜んだ。



「…着てみたんだけど、…」

「ふわあ…!」

ワドルドゥが感激する。

「うん、その恥ずかしそうな表情 、腿に食い込んだ網タイツ…」
「やめてやめて?」
放っといたら次々と際どい発言が飛び出しそうなところをバンダナワドルディは止めた。

「はぁー。生きててよかったなー。最高な日だよ…今日は…!」

「そう、よかったね…? …ボクは最低の気分だけど…」
バンダナワドルディはげっそりしながらそう言った。

「…それで? 何をすればいいんだっけ。写真でも撮るの…?」

「僕を罵ってほしい!」

「なんでそんな嬉しそうなの!!???」

◆◆◆

「罵るって、どんなふうにだよ…?」

「待って。台本を書いてきたから」

「書いてきたの!?」

「はい」

『この下僕めが! 汚らしいきさまごときがボクに触れることなど許されると思うのか?(鞭でひっぱたく)』

「…」
台本を読んで真っ白になっているバンダナワドルディ。

「できそう?」

「…むりです」

「やっぱり?」

「っていうかなんだよこれ!! どういう設定なの!? 君は汚くもなんともないし、こんなひどいこと言う必要ないじゃないか!!」

「どういうって…君は女王様、僕はそのしもべって設定だよ」

「女王様って!!男の子なんだけど!!? セリフにも『ボク』って書いてるよね!?」

「細かいことは気にしないで」

「気にする!! いや、気にして!!!?」

バンダナワドルディはその場にへたり込んで、

「も゛ういやだぁ…君がそんな趣味を持ってるのはよーーーくわかったから、これで勘弁してーーッ!!!」

「やりなくなかったら、しなくてもいいんだってば」

「…でも…それが希望なんでしょ…? 君の…」

「うん♡」

バンダナワドルディは深ーーーいため息をついた。

◆◆◆

「こ、この…げ、げげ、下僕めが!! き、汚らしいおま、おまえがこのボクに触れることなど許されると、お、思うのかぁあ!?」

バンダナワドルディは泣きながら必死に役になりきった。

「こ、これでいい…?」

「バンダナ君、鞭でひっぱたくの忘れてる」

「わかってるよ!!」
バンダナワドルディは叫んだ。

「でもこれ痛いやつでしょ?! ぜったい叩いたら痛いやつだよ!!」

「その痛みが快感になるんじゃないか」

「快感って!!!」

バンダナワドルディはうずくまる。

「…う゛う、うぐ、う…」

「じゃあ、ここまでにしようかな」 
ワドルドゥはそう言って、

「君の愛の鞭…食らってみたかったけど、嫌なんじゃしょうがないもんね」
と笑う。

「…」

「…バンダナ君?」


「…本当に大丈夫なの…? ひっぱたいて…」

「え? うん」



「思いっきりやってくれていいよ」

「ッ…」

◆◆◆


「こ、この下僕めがっ! 汚らしいおまえがこのボクに触れることなど許されると思うのか!!」

パシイッ

「あふぁっ…♡」

「ちょ、エッチな声出さないで!!!」


◆◆◆

「…はあ、はあ、イイね。もう一回いい?」

「やだよ!!」

「そこをなんとか」

「やだったら!!!」



◆◆◆

「…」

「ありがとう、バンダナ君。今夜はいい夢が見れそうだ」

「…ボクは悪夢にうなされそう…」

「ごめんね。いやなことさせて」

「まったくだよ…」

「代わりといっちゃなんだけど、何かしてほしいことある?」


「え!?」



「いいの?」

「うん。なんか疲れさせちゃったし。なんでも…とは行かないけど、まあ、できることなら」

「じゃあ、」




「あの…ビームで縛って電流流すやつ、ちょっとやってみてくれない?」

「は?」
 


「…キャプチャービームのこと言ってる?」

「あ、そう! それそれ!」



「正気? あれやったら君、死にかけるんだよ?」
まだザコキャラ扱いなんだから。


「いや、だって君が痛いのが気持ちいいって言うから、ちょっとだけ興味持っちゃって…!」

「えぇ…そんな影響は受けなくてよかったのに…」

「ボクにもこんなことやらせたんだし、いいよね?」

「ダメ♡」
ワドルドゥは笑顔で答える。


「そういうところなんだよ!!」
バンダナワドルディは憤怒すると

「ボクにばっかり優しくして、自分はされるの嫌がるし!!今回も痛いことさせて、こっちからはさせてくれなくて…。水くさい!ほんっとーに水くさい!!」

「それとこれとは話が違うよ。それに、蘇生アイテムなんかストックしてないし…」

「…」

「なにか他のことにしてよ。ね?」

「…死んじゃった時は、それでもいいから…」

「何言ってるの落ち着いて?」



「やってほしいことしてくれるって言ったのにー…」

「内容が内容だからだめなんだよ」

「もういいよ。ボクは寝る。出てって!」

「…」

まさかのふてくされモードになってしまった。


「…ちょっと弱めの電流を流せるように練習してみるから。それができるようになったらでもいいかい?」

「!」
バンダナワドルディの分だけ膨らんだ布団がピクリと動いた。

そして布団から半分だけ顔を出す。

「…しょうがないなー」

「しょうがないなって…」


そして、バンダナワドルディはまた笑顔に戻った。

「いいよ。なんか泣いたり怒ったりしてたら、どうでもよくなっちゃった」

「それは助かるよ」
ワドルドゥも笑う。



「じゃあ、おやすみ。また明日ね」


「うん、おやすみ」






(ここまで)

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