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【ドゥディ】さいきょうのいきもの

進行度:支部にup済
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【ドゥディ】さいきょうのいきもの

【ドゥディ】最強のいきもの








「…おいおい、どうした? 聞いてた話と違うようだが」


「…うう…」


「バンダナ君!」

応援席からワドルドゥが叫ぶ。
「落ち着いて!  …昨日、僕と勝負したときと同じようにすればいいんだよ!!」

「わかってる。…わかってる、けど…」


…そうか、大王さまの体の大きさ、威圧感…それに圧倒されてしまっているのか


同じ物理技で、プププランド1のの実力を持つ、デデデ大王。
彼の体はバンダナワドルディたちの二倍は大きくて、それでいて、その気迫だけで相手を震え上がらせるほどのオーラがある。

対して昨日勝負をしたワドルドゥは、相手を負かそうという気迫はまるでなかった。ただ自分がいかに安全に立ち回って戦いを終わらせるかということだけを考えていた。

それでかどうかはわからないが、バンダナワドルディはいつもの自然体で戦うことができたのかもしれない。

憧れのデデデ大王が手合わせしてくれる、と聞いて、バンダナワドルディは喜ぶはずだとワドルドゥは思っていた。が…バンダナワドルディにとってデデデ大王は、かたく忠誠を誓う主君でもあるのだ。

そのことが抜けていたかもしれない。

「大丈夫?」
思わず駆け寄って、声をかける。

「ごめん、君にとっては…大王さまとの勝負はまだ早かったかもしれないね」

バンダナワドルディは答える。

「そんなことない…大王さまが相手してくれて、嬉しいのに、うまく闘えなくて…自分が情けないんだよ…」

「また日を改めたらいいよ。大王さまも、万全の状態でと言ったんだし」

「でも、せっかく機会を下さったのに…」

「…」
デデデはそんな二人を見て、手を叩くと、


「よし! じゃあドゥ、お前も加勢してやれ」

と言った。

「はっ…わたしですか?」
ワドルドゥは面食らう。

「えっ…!?」
バンダナワドルディも驚いている。

「「二人で、ですか?」」

二人の声が重なる。

「…それでは、大王さまが不利なのでは?」
ワドルドゥが言う。

「なに。お前らのような一頭身2体相手にするのは、カービィとヘルパーにボコボコにされて以来だ。
それなりに対策もしてるさ」

「…」

「…」 

二人は、顔を見合わせる。


「それでやってみる?」
ワドルドゥが言う。

「い、いいんでしょうか? 大王さま」
バンダナワドルディは不安そうにたずねる。

「オレさまが言ってるんだから当然だろう」
デデデは胸を張ると、


「では、ルールを変更しようか。

お前らのすることはオレさまを戦闘不能にすることだ。
それに対して、

お前らのどちらかが戦闘不能になったらオレさまの勝ち。どうだ?」

「「…!」」

たしかに、バンダナワドルディとワドルドゥ。どちらも、どちらかが倒れたあとに、デデデ大王とタイマンをはれるほどの実力はない。そう汲んでのルールだった。

デデデはワドルドゥを見ると、

「そうなると、HPの少ないお前はオレさまの攻撃が当たらんよう気をつけないといかん。しかし、かといって自分が逃げ回ってばかりではバンダナが先にダウンするかもしれん。さあ、どうする?」

楽しそうに、笑う。

「…お気遣いなく。大王さまこそ、油断なさらないでください」

ワドルドゥは忠告した。

「ちぇっ。生意気なやつめ」
デデデは拗ねて口をとがらせた。


ここは屋外の広場。いつもなら運動場にしている場所だ。
デデデが先に、広いフィールドの端に待機して

「準備できたら言えよー!」
と手を振った。


「いいかい、バンダナ君」
ワドルドゥはバンダナワドルディに言った。

「僕が動き回りながらビームを撃って、大王さまを引き付ける。君は、落ち着いて、よく狙って攻撃を当てること」

「ええっ…!?」
バンダナワドルディはうろたえて、

「それは、ありがたいけど、で、でも…それじゃ、なんか卑怯っていうか…大王さまが、…」

ワドルドゥは首を振る。

「言いたいことはわかるよ。君は正面から正々堂々と戦いたいんだろ。
でも、それは今の君では無理だ」

「!」
バンダナワドルディは、デデデ大王の気迫に足が竦んでしまったことを思い出す。

「…こわいって思ってるんなら、なおさらね?」

「う…」  


「試してみればわかると思うよ。ぼくら同時にかかっても、大王さまは対応してくるはずだから」

「…」


そこへ、お使いから帰ってきたポピーブラザーズSr.が、

「ありゃりゃ、なんか楽しそうなことしてますね!」
とギャラリーに加わった。

デデデはそれに気づくと、

「ポピー、お前は審判な。オレさまとこいつら二人で手合わせをするから、不正がないかしっかり見とけよ!」
とサムズアップをした。

「えーっ!! またオレ仲間外れですか!?」
ポピーは文句を言っていたが、ワドルディの一人からゴングを受け取ると、

 
「そんじゃ、いいですか!?
位置について!——」


試合開始だ。

「はじめ!」

ポピーの掛け声とゴングの音と同時にワドルドゥは駆け出した。

『ビームウィップ』

バチリと電気の鞭をデデデの右肩から左足にかけてはしらせる。

「…なるほどな」
デデデはニヤリと笑う。
いつもなら真っ先にこちらの死角を目指すワドルドゥが正面から向かってきたということは。

「…『お前』にチャンスを与えるための囮役、というわけか」

デデデはそう言いながらガードでビームウィップのダメージを軽減すると、

お前…つまり、脇から突きを出したバンダナワドルディの攻撃をハンマーで薙ぎ払った。

「!!!」

槍がバンダナワドルディの手を離れて、カランと音を立てて地面に落ちた。

「!」
「しまった!」


「…もうすこししっかり柄を握っていないとな?」
デデデはそう言って、ゆっくりとこちらを振り向いた。

「…!!」

バンダナワドルディは思った。

…本当だ…僕ら二人でかかっても、大王さまには不公平さはないんだ…!
そして、僕らの作戦は予想の範疇…いや、そもそもどちらの動きも大王さまには見えていたのかもしれない…
…正面から、堂々と、なんて言ってる場合じゃないんだ…

「では、まずはお前だな? バンダナ」
とデデデがハンマーを振り上げたその時、

「いいえ、こっちですよ!」

と、反対側からワドルドゥがサイクルビームを放った。

「ふん」

デデデはバンダナワドルディに振り下ろしかけたハンマーを、急転換してワドルドゥめがけて投げつけた。

「あっ…!!!」
バンダナワドルディは青ざめた。

ドンッ

「ッ!!」

ワドルドゥにハンマーがヒットする。

「ドゥ!!!」
バンダナワドルディが叫ぶ。


「…」
砂埃が晴れて、地面に倒れているワドルドゥの姿が見えた。

「!」
彼の身を心配していたバンダナワドルディだが、あることに気づき、急いで駆け出す。

「まずは、これで三分の一…だな?」
デデデが笑う。
三分の一…とは、ワドルドゥのHPに対してハンマー攻撃がどれくらいの威力かということを言っている。
デデデのハンマーを…今のと合わせて3回食らえば終わりということだ。

「…らしくないな? わざわざ硬直時間のあるサイクルビームをつかうとは。…威力は少なくてもすぐに動ける技だってあるだろう?」

デデデはそう言いながら、もう一方からの気配にも気づいていて、

「!!」

バンダナワドルディの槍の遠投をハンマーで撃ち落とした。

…だめか!


「…オレさまがその隙を見逃すはずがないと踏んで、
あいつに槍を拾うチャンスを与えたわけだ。

お前がメインで戦うよりバンダナの槍術の方が威力があるからな。
 
だが、そうやって身代わりばかりやっていられるのか…?
お前が倒れるとお前ら二人とも負けになることを忘れるなよ?」

ワドルドゥは起き上がると、

「…三分の一? なにかの間違いでは。

こんなの、なんともありませんけど」

と、言い捨てた。

デデデは、
「言うじゃないか」
と嘲笑した。

軽くて耐久性に乏しい自分の体を蔑んでも、なにかが変わるわけじゃない。

…バンダナ君には充分力がある
僕はできることをやろう

「じゃあ、とっとと2発…終わらせちまおうかな?」
デデデが意地悪く笑うと、改めてハンマーを構えた。


「!」
バンダナワドルディは息を呑む。

が、

ワドルドゥは、振り下ろされたデデデのハンマーを寸前で避ける。

「しまった!」
デデデは思いっきり振るったハンマーの重さで一瞬の隙ができてしまった。

そして、

『ビームマシンガン』

デデデの後頭部めがけて電撃の雨を降らせた

「いてっいててて!」

「やりおったな!」
高くジャンプした彼の着地を狙ってハンマーを構え直す。

そこへ
「させませんッ!!」

と、そこへ飛んできたのはバンダナワドルディの突き攻撃だ。

「おおっと!?」
デデデは間一髪でそれを避けたが、右腕のガウンが裂けた。

そして、
『サイクルビーム』

「!」
再びワドルドゥが攻撃をする。

「バカめ、その技で身代わりになったところで…」
…お前が先に倒れて勝負がつくだけだ!
デデデはハンマーをワドルドゥに向ける。

「かかりましたね」
ワドルドゥが言う。

「ん?」

バンダナワドルディはさらに

「やあっ!!」

と、連続突きを繰り出し、

「うおっ…!!?」
 
さらに。

『天空突き!』

真上に向かって勢いよく槍を突き上げる!


「ぐわあああ!!?」

デデデ大王の胸部を串刺しに…はできなかったが、かなりのダメージを負わせることに成功した。

「決まった!」
ワドルドゥも声を上げる。

『かっこい!!』
ワドルディたちの歓声。

「すっげぇ!」
ポピーも拍手を送る。

デデデ大王は傷口を抑えながら

「…やるじゃないか」

と立ち上がる。


…さきほどの連撃で大王さまのHPを半分に減らしたな。

ワドルドゥは、バンダナワドルディの方を向くと、

「バンダナ君、ここからの作戦だけど」
と話しかけようとしたが、

「あれ、いない」
彼の姿はなかった。



「大王さま!見てください!!」

なんと、彼は、昨日の新技、『ワドコプター』を披露していた。


「な、なんだありゃ!?」
初めて見たポピーも驚いて声を上げた。


「ほう…?」
デデデは、一見感心しているようだったが。

「バンダナ君、だめだ!!」
ワドルドゥが叫ぶ。

「だが、」

デデデはハンマーを持つと、数回振り回して

「…隙だらけだな?」

と、ぶん投げた。

『爆裂デデデハンマー投げ!』

「うわっ!!!?」

ドオン

ハンマーが直撃して、バンダナワドルディが地面へ落下する。

「バンダナ君!!!」
ワドルドゥが駆け寄ろうとすると、デデデが手を出して止めた。

「空中へ飛んで、垂直落下…といったところかな。槍ならかなりの威力になるはずだ。考えたな。


…が、そのままでは使い物にならないな?」


…そうか、わざと攻撃を阻止したのは、ただの意地悪ではなく、そこまで読んでのことだったのか。

ワドルドゥは思った。


「ううっ…」
バンダナワドルディが衝撃からなんとか立ち上がろうとする。

「お前には、もっと機動性のある攻撃が向いている。
さっきみたいに、隙を作らずに連続技を繰り出せるようなものがいいだろうな」

デデデはそう言ってハンマーを構える。

「…大王さまは、おっしゃってましたよね…?」

「ん? なんだ」

「多少隙があっても…見かけの派手な技は皆を楽しませると」

「!」


「だから、ボクもこの技を作ったんです。大王さまの、自身も楽しんで…みんなも楽しませる戦い方が、素敵だったから…!」


「…!!」
…やっぱりそうだったのか

ワドルドゥはバンダナワドルディとの手合わせで見たこの技に、
一瞬だけ、デデデ大王の、「スーパーデデデジャンプ」という派手な大技が重なったことを思い出す。

「…」
デデデは呆気にとられていたが、
腕を組むと、

「…そ…、そういう技は自分より弱い相手用にしておけばいいんだっ!!」

と言って、そっぽを向いた。
怒っているようでもあるが、実際のところ、自分がお手本にされて嬉しいことは傍目にも明らかだった。

自分の名前を技名に入れたり、自分の像や肖像画を飾ったり…自分のことが大好きなデデデ大王だが、意外に他人から素直に褒められるのには、慣れてなかったりするのだ。


「そのお言葉、そっくりお返しします!!」
バンダナワドルディは言い返した。

「何!?」
デデデは振り返る。

「…たしかに、それならカービィ相手にそんな技を多用する必要はないもんね?」

ワドルドゥも思わず笑ってしまう。

たしかにその通りだった。
何回、何百回と挑んでも負け続けているカービィには観客の目や演出など言っていられないはず。


「…!!」
デデデは真っ赤になると、

「う、うるさいわい!! そんな生意気なこと言ってると…あっという間に勝負をつけてしまんだからな!!?」

デデデはハンマーを掲げ、

『ジャイアントデデデスイング!!』

ハンマーを持って回転し始めた。

しかし、動揺(?)のせいか、さきほどまでの迫力がなくなってしまっている。

二人は、顔を見合わせ、頷いた。

ワドルドゥはそれを軽快に避け、バンダナワドルディは…デデデに言われた通り、連続で突きを繰り出す。

「だ、このっ…」

チクリ。
槍がデデデのお尻に刺さった

「ぎょわーーー!!!?」

「やった!」
ワドルドゥが声をあげる。

「大王さま、覚悟ー!」

「ちょ、ま、まてまていだだだだ!!??」

『波動ビーム』

「ギャアアア!! 」 
デデデが悲鳴を上げる。


「お、お前もどさくさにまぎれて溜め技を使うんじゃない!!」

バンダナワドルディの心理攻撃(?)により、すっかりいつものペースを崩したデデデ大王は、ちょこまかと動き回る二人に翻弄されることになってしまった。



◆◆◆

「だーっ!!もうわかった!!オレさまの負けだ!!そういうことにしといてやるッ!!」

デデデ大王は泣きながら降参した。

「「ありがとうございました!!」」

二人は同時に頭を下げた。


◆◆◆

その夜のこと。

「大王さま、やっぱり強かったなー…」
バンダナワドルディはお茶をすすりながらため息をつく。

「君の心理作戦が一番効いてたね 」

「そ、そんなつもりで言ってないよ!!」
バンダナワドルディは抗議した。

「わかってるよ。だって、それがお世辞じゃなく、心からの言葉だからこそ、効き目があるんだもの」
ワドルドゥは笑って言った。

「…いじわる」

「えっ」
ワドルドゥは目を丸くすると、

「? そんなつもりで言ったわけじゃ」
と返すが

「…知ってるよ」
と言って、バンダナワドルディは黙ってしまった。

「???」
ワドルドゥは、彼が怒っている理由がよくわからなかった。

おそらく、自分が素直に称賛したことがデデデ一番には「効き目があった」…のあたりと思われるが、なかなか繊細なポイントだ。

でも、黙っていたのは僅かな時間だけだった。

「…二人だったからよかったけど…一対一は無理だろうなぁ」
バンダナワドルディは、またいつもの調子で話し始める。

「そんなことないよ」
ワドルドゥは言う

「君には力もセンスもあるんだから。あとは慣れるだけだよ」

「…」
バンダナワドルディはワドルドゥをじっとみる

「?」
ワドルドゥはその視線に気づいて、

「? …何かついてる?」
とたずねる。



「かっこよかったよ」

「え?」

「ボクを守ってくれたこと」

「えっ」

バンダナワドルディの一言に、一瞬固まるワドルドゥだが、

「…守ったわけじゃないよ。隙をつくれるようにしただけ」

と、(ちょっと慌てて)お茶をすする。

「でも、なんかそんな感じだったし」
…タイミング的に。
バンダナワドルディが笑って、同じくお茶を飲む。

「それに、ボクとの戦い方とは全然違ったね。なんだか、遠慮がないというか、すごく楽しそうだった」

楽しそう。そう言われてワドルドゥも、たしかに。…と、その時のことを振り返る。

「…大王さまは手加減しなくていいからね」

「それってボクには手加減してたってこと?」

「えっ」
予想外のツッコミに驚くワドルドゥ。


「…まさか。ちゃんと本気を出させてもらったよ!」
反論する。

「…本当に?」
バンダナワドルディが、珍しくジト目を向ける。

「…信じられない?」

「だって…ボクと戦うのはイヤそうだったじゃない」

「それは …」

そう、彼とは、たまにこういう非常に困った状況に陥ることがある。

…まいったな
君のことが好きで、傷つけたくないからだ…とは言えないし…

ワドルドゥは、ほんの一瞬だけれど、ひどく長く思える迷いの時間の後で、

「…友だち、だからだよ」

と精一杯の言葉を紡いだ。


「!」
バンダナワドルディははっとして、

「そ、そっか…」
恥ずかしそうに俯いた。

…そう、友だち。

こうして、お互いの話をして、笑って、泣いて励まし合って。
いつもそばで、支えてくれている存在。
大王さまとカービィとは、違う形の友人。
静かで、暖かく…そして辛抱強い…
そんな彼の気持ちも考えず、ただ、自分があの二人に近づきたい思うばかりに、真似事ばかりして。
それを恥ずかしく思ったのだった。

「…ごめんね。ボクのわがままに…巻き込んじゃって。」

バンダナワドルディが謝ると、
ワドルドゥは首を振って

「巻き込まれたなんて思ってないよ」
と笑う。

「全然、わがままでもないし」
と、付け足して。

「…大王さまとの勝負が楽しいのは、たぶん彼の力じゃないかな。いつも、自分も相手も、観客の皆も楽しんでるような試合が好きな方だから」

「!」

「うん…そうだね」
ほんのりと頬が赤くなる。
尊敬する主君のことを褒められると嬉しい。
そんな彼だった。

…よかった。機嫌直してくれて

ワドルドゥは心底ほっとする

彼は、バンダナワドルディほどデデデに忠誠を誓っているわけではない。
彼にとってデデデ大王は、尊敬している部分もあればしょうもない部分もあり…そして、何故か嫌いになることもない、そんな上司だ。

そして、大切な人の、憧れの存在。


バンダナワドルディにおやすみを言って、部屋へ戻りながらワドルドゥは思っていた。


…守る、か。


君が強くなればなるほど、それは今よりもっと困難なことになっていくんだろうな


…そんなに、僕はがんばれるかな

ワドルドゥは、そのことにあまり自信が持てなかった。

…いつもそばで無邪気に笑っている親友。
この世界で唯一の、大切な大切な、愛しい存在。
ワドルドゥはその笑顔が、少しずつ遠くなっていくような気がしていた。


明日から、 また彼らのいつもの日々が始まる。

そして、時を刻むごとに、大切な人への愛しさはゆっくりと彼の心から溢れてゆくのだった。



(ここまで)

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