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【ドゥディ】幸福な呪い 改訂版

「…まず、君が、自分のことばかり話してるって謝ってたことについては、全く問題ないんだ。
僕は、君のことを好きで話を聞いているだけなんだから。」

「え?」
 
「だから、対等である必要はないし、全然負担じゃないし、頼ってくれた方が嬉しい。だって、好きな人のためだからね」


「好き…、な、ひと…?」


「僕は、ずっと、ずっと…君のことが好きで、ここにいるんだ」


「!!!」

バンダナワドルディは、座っていた席から立ち上がり、両手で口を覆った。

「ま、待って…そんな…」

「…ここへ来たのも、一度会った君がとても素敵だったから…好きになって。一緒に働きたくて…でも、こんなこときいて、怖いし、気持ち悪いし…困るだろうなって…。だから、言わなかったんだ。

君の話をきいたり助けたりするのも、僕自身が楽しくて幸せだったから。大好きな君の、力になれたら本当に嬉しかったからなんだ。

ずっと黙っててごめん。友だちのフリしててごめん」


「…まっ…」

「悩んでたように見えたのは…たぶん、この気持ちだけは、ずっと君には話せなかったからだと思う。
こんな自分が変だとは、思ってたから…」


「…」

「…」


「…ありがとう。最後まで聞いてくれて。
これで、わかってもらえたよね」


「っ………」
バンダナワドルディは下を向いたまま、何も答えない。
いや、何も答えられないのだろう。


「…じゃあ、おやすみ」

そんな彼を残して、ワドルドゥ部屋を飛び出した。


◆◆◆

彼は自分の部屋まで走って戻ると、扉を閉じて、それを背中にして蹲った。


伝えてしまった
伝えてしまった
伝えてしまった


言うつもりなんてなかったんだ

いつも通りにしようとしたんだ

僕は、 
これからも君のそばにずっといるんだって
ついさっき決めたばかりで。

カービィに、お守りまでもらって…
なのに、
それを全部全部、ぶち壊してしまった…



…ボクがしっかりしなきゃね…


バンダナワドルディの悲しそうな笑顔が浮かぶ。

…あんなふうに笑ってほしくなかったんだ。

だから、彼は全部話したのだった。

これ以上何もがんばってほしくなかったから。自分なんかのために。
そのためには、結局すべてを話すしかなかったし、今までのことは全部自分を好きだったからだと知れば…がんばる必要なんてないとわかってくれるだろう。

彼は机の片隅に置かれたお守りを手にすると

「…これでよかったのかもしれない」

そう言って、抱きしめた。


◆◆◆

バンダナワドルディの目には涙が溢れて伝っていた。

言葉にならない思いが次々と溢れて流れていく。

…言わなければいけなかったのに。

…引き止めなければいけなかったのに。

僕が意気地なし…だから。

彼は布団に突っ伏すとそのまま声を殺して泣くのだった。

◆◆◆

「おはようございます、大王さま」

「おう、おはよう」

「突然で申し訳ないのですが、わたしの仕事を後任してくれる人を募ってもらえませんか」

「なんだそんなことか。 お安い御用…。

…なんだと…!!?」

デデデ大王がノリツッコミよろしくリアクションした後、ドタバタと駆け寄る。

「お前、辞めるつもりなのか!? ここを」

「…はい。申し訳ありません」

「…何があったんだ?」


「それは…一身上の都合で…」

デデデ大王は一度睨むと、

「その都合とやらの詳細を話せといっとるんだ!」

と怒鳴った。
こういう時、デデデ大王には、嘘や、当たり障りのない適当な言い回しは通用しない。
予想はできていた。
ワドルドゥは腹をくくると、正直に打ち明ける。

「…実は昨日、バンダナワドルディ君に話してしまったんです。ここに来た理由を。ずっと彼を慕ってきたことを。」
  

「本当か?それは」
それを聞いて、デデデ大王が目を丸くする。

「はい。…だからもうここでは働けません。大変ご迷惑をかけますが、よろしくお願いします。」

「ま、まあ待てよ。バンダナは何て言ったんだよ?」

「何も言えなくなっていました。…当然かと」

「そりゃ、そうだろうが…。だが、せめてあいつの返事を待ってからにせんか?」

「いえ、いいんです。わかりきっていますし」


「しかし、気持ちといっても…多少友情よりは重いくらいで、何もあいつと付き合おうだの結婚したいだの思ってるわけじゃないだろう?」


「それは、そうですが…」
ワドルドゥはそう答えると、

「普通ではないことは確かです。少なくとも、こんな気持ちを向けられたら彼は困ります」

「普通、…か」
デデデ大王が腕を組んで唸り、


「…オレさまも、お前の気持ちに頼り切ってたようなものだからなぁ…」
と、何かつぶやいている。


「大王さま?」


「よし。その話は一旦保留な?
それより、一つ使いを頼まれてくれよ。
いつもならバンダナに任せるが、今回はお前が行ってくれ。交代だ」

「? はい。喜んで…」


それは願ってもないことだ。
少なくとも今、この城にいるよりはずっといいだろう。
彼に会わなくてすむ。
◆◆◆

「…大王さま、おはようございます」

「今度はお前か、バンダナ。どうした?」

「…今度は?」

しまった、と大王は口を噤む。

「あの、ワドルドゥ隊長がこちらに来ましたか?」

「ああ、ついさっきな。あいつなら、さっき雑用を頼んだから外出してるぞ?」

「雑用? …彼にですか?」

…いつもなら僕に頼むのに?

バンダナワドルディがそう思うのは予想の範囲内だったようで、デデデは、

「…ちょっと急ぎだったんでな。先に来たやつに任せたってだけだよ」

と付け足す。

「そうですか…」

「で、どうしたんだお前は?」

「隊長は、何か、相談などされてませんか? 大王さまに…」

デデデは、少し考えると

「なんか心あたりでもあるのか?」
 
と返す。

「…はい。話したいことがあるので、場所を教えてくれませんか?」

デデデは驚くと、

「話ってお前…、帰ってきてからじゃいかんのか?」

「できるだけ早い方がいい気がするんです」

デデデは、先に行かせたワドルドゥのことも気になっていたが、バンダナワドルディはバンダナワドルディで、思い詰めた表情をしていて、心配だった。

「…よしわかった。何があったのか、オレさまに話すのなら教えてやる。嫌なら、おとなしく待ってろ。な?」

「…分かりました」

デデデはホッとした。

それはてっきり、このまま待ちますという意味だと受け取っていたからだ。

が、

「彼に、好きだと言われたんです」

「!」
デデデは目を丸くして振り返る。


「ずっと好きで…ここに来たのもボクと働きたいからだって。大王さまご存知だったんですか…?」

デデデは、観念して

「…ウチに来たときに、聞いてた話だな」

白状する。

「なぜ、ボクには内緒に…!?」

「本人が、話さないでほしいと言ってたからだよ」

デデデはこう見えて人情に厚いところもあり、部下や友人から知り得た秘密は守る主義だった。
バンダナワドルディもそのことはよくわかっている。

「…そう、ですか…」
とはいえ、長年の付き合いもあるからこそ、自分に関わることを話してもらえなかったのは、なんだか寂しい気がしていた。

「…」
デデデは、表情を曇らせてしまった部下に、かける言葉が浮かばず、考え込んでいた。

が。

「大王さまなら、どうされますか? こういう場合」

「い゛!?」
デデデは全く予想外の質問に、(お決まりの)リアクション芸の如く顔がひきつった。
そして、

「いや、それはお前の問題だろ!? オレさまに聞いてどうする!」
と、大慌てで抗議した。

「もちろん、自分で決めます。でも、参考にしたいんです」
バンダナワドルディは真剣だった。

「…そう言われてもなぁ」

「お願いします!」

バンダナワドルディは頭を下げた。

「…もし、わたしやポピーに、あなたのことを好きだって言われたら…?」

「!」

なぜか、無関係なポピー(ブラザーズSr.)まで巻き添えを食っているが…それはさておき…

「…」
デデデは腕を組み、

そっぽを向くと、

「…嬉しいに決まってるだろ、そんなの」

と小さな声で言った。

「本当ですか!」

バンダナワドルディの顔が輝く。

デデデは慌てて、

「結婚しろと言われたら、断るぞ!?」

と付け足す。

「それはご心配なく!! 
大王さまには、カービィという…素敵なパートナーがいらっしゃいますから!」

バンダナワドルディが笑顔になり、いつもの元気を取り戻したようだった。

「もし、ご結婚ということになれば…国を上げて盛大に披露宴を…!」

「ええい、オレさまの話は、もういいだろう!」
デデデは怒鳴った。

バンダナワドルディは我に返って、

「はっ…す、すみません。つい、熱くなってしまいました…」

「ドゥの行き先は、グルメットの農場だ。牛乳を切らしてたから注文したんだが…一人ではちと厳しいかもな…?」

「!それでは…」

「ああ。お前も行って、手伝ってやってくれ」

「かしこまりました!」

バンダナワドルディは走り出した。


「…まったく…勘弁してくれよ…」

デデデは真っ赤になって顔を覆った。

◆◆◆
「…え…?」

ワドルドゥがデデデ大王に頼まれた場所につくと、大量の牛乳瓶が荷車に積まれていた。


…なんだこの量は。

「…これが大王さまの注文だけど、本当に君一人で運ぶのかい?」

農場の主人がワドルドゥに確認する。

…まさか。とても一人で運ぶ量じゃない。せめて、荷車を後ろから押すもう一人が必要だ。

大王さまが、量を間違えたのだろうか…?

しかし、今からワドルディ隊を呼ぶわけにもいかない。
…仕方ない、やるか。

「「大丈夫です」」

彼の言葉が、もう一人の誰かの声と重なる。

「えっ」

振り返ると、そこにいたのは。

「ボクが一緒に運びますので」

「…!」

いつもの笑顔のバンダナワドルディだった。

農場の主人が
「君がいたのか。よかった。じゃあ、頼んだよ。大王さまによろしくね」

「はい! いつもありがとうございます」
バンダナワドルディが元気よく返事をすると、

「…ボクが前をやるから、ドゥは後ろをお願いね」

そう言って、荷車の前へ行くと、持ち手を握った。

…まさか、大王さま…最初からそのつもりで?

ワドルドゥもあわてて後ろに回った。


◆◆◆

彼らは、荷物を運びながら長い間無言だった。

やっぱり、二人で運ぶのもなかなかの重量だ。
いつもならワドルディ隊数人と来なければならないくらいの。

荷物を挟んだ先にいるバンダナワドルディも、きっと、重いなぁと思っていながら、引っ張ってることだろう。

ワドルドゥはできるだけ力を込めて荷車を押す。

彼自身は、もうバンダナワドルディに話すことは何もないと思っていた。

このお使いが終わったら、次に行くところを探したり、荷物を整理したりしよう、とか…。

そんなことを考えていたら、先にバンダナワドルディが口を開いた。

「…君は、覚えてないと思うけどさ、」

「え?」
ワドルドゥは顔を上げる。


「ぼくらって、一回会ったことがあるんだよね、
 君がここに来る前に」


「…え…?」



「お城から一番近い商店街で、お使いから帰る途中に、本をたくさん抱えた人がいて…一冊落としたのに気づいてなかったから、拾って渡したんだ。その人、君にすごくよく似てて」

「…!」

それは、忘れもしない、彼が初めて会った時の記憶。

「拾った本が、ボクの大好きな本だったから、つい話しかけちゃって。 またどこかで会えたらいいなって、思ってたんだ…!」

…覚えてくれてたっていうのか。あんなこと…

「そしたら、しばらくして、お城に来た人が、君で…!
ワドルドゥ族にしては、立ち居振る舞いがゆったりしてるところとか…瞬きの仕方とか、やっぱりあの人だなーって思ったんだよ…」

「ッ…」
ワドルドゥは言葉に詰まる。
涙が溢れそうになっていた。

「…でも、ちょっと話しただけだったし…覚えてないかもって。そんなこと言われても困るかなって、なんとなく話せなかったんだ」

それはもう、充分すぎるほど、温かい気持ちで満たされていくようで。

彼は迷っていた。
そのことを、僕もずっと覚えてるよって。話すかどうかを。


「それで、…あ、待って。」

「?」
ワドルドゥは荷車を押す足を止める。  




「続きは…あとで話そっか」

「?」

前を見ると、ワドルディ隊の子たちが集まってきていた。

『大王さまが、量を、間違えてしまったそうです!』

『二人では大変なので、大急ぎで来ました!』

『僕らも一緒に運びます!』

やっぱりか、とワドルドゥは思った。
自分に仕事を与えるために、とっさの思いつきでしたのだとわかっていたから。

この大量の牛乳に使い道があるのか、ちょっと心配だが…
残りの坂は皆で、わいわいと運んだのであっという間だった。

◆◆◆
その夜、お城ではデデデ大王の注文ミスにより、今夜はお城の全員が、ホットミルクを飲むことが義務づけられていた。


ワドルドゥはバンダナワドルディに手を引っ張られて彼の部屋に来てしまっていた。

そのため、テーブルにはマグカップが2つ、湯気を立てている。

「…」
その湯気を見つめながら、彼は思っていた。

…あんな話をしてしまったあとで、なぜ僕はここにいるのだろうか。

すぐにここから出ていかなくちゃいけない。
そう思うのに、体が重くて、いうことをきかないのだった。

「いやー、今日はホント疲れたよね〜!」

バンダナワドルディはマグカップを持つと、一口飲んで

「大王さまも、もっと早くワドルディ隊を呼んでくれたらよかったのにね? あそこまで運ぶのもなかなか大変だったもの」

…あ、口の周りが白くなってる。

ワドルドゥは気づいた。

「あの、バンダナ君?」

彼はそのことを言おうとして、

「さっきの話の続き、だけど」

バンダナワドルディは(口の周りが白くなったまま)、話を続ける。

…そういえば、後で話そうと言って言っていたな。

ワドルドゥは思い出す。

「あのときの本…ボクのお気に入りの本のこと。お話の一つに、主人公が大変な目に遭いながら強い人に成長していくお話があって、…」

とりあえず、ハンカチを出して彼の口のまわりを拭く。

「…!」
バンダナワドルディはきょとんとしていたが、理由がわかって恥ずかしそうにしたあと、思い出して続きを話し始める。

「…その子は、優しい子ではあるんだけど、すごく臆病で泣き虫で、何度も何度も挫けそうになるんだ。もうなにかも嫌だー! って…わめいたり…全ッ然かっこよくないんだよ」

残念ながら、ワドルドゥはもう話の内容は覚えてなかった。あくまでたくさん読んだ本の一冊で、そんなに心に残っていなかったからだ。
こんなふうに覚えててくれるなら、せめてもう一度読んでおけばよかったな。何しろ、君が好きな本なのだから。

そう思いながら話を聞いていて、ふと

…その子、なんだか僕と話してる時のバンダナ君みたいだな

と、口元(?)が緩む。

「…でも、その度に、その子の親友がね、そばで、話を聞いたり励ましてくれたりしてくれるんだよ。」

「え?」
ワドルドゥは驚いた。

「その親友の言葉が、優しくて、温かくて…。読んでてボクも何度も勇気をもらってた」

「…」
それは、なんだか、

「まるで、君みたいだなって…」

「…!」

バンダナワドルディの言う通り、物語の主人公と親友の立ち位置は二人によく似ていた。

ワドルドゥにとっては、思いがけない、信じられない一言だった。
しかし、納得できる部分もあるような気がしてきた。

「…僕は、その親友みたいに素敵じゃないよ」

「どうして?」

「その親友は、純粋な友情で主人公を助けていたはずだよ。
そんな人に例えられるほど、僕はまともじゃないのだから」

バンダナワドルディの顔をちゃんと見れないまま、彼はそう言った。

「そんなことない!」

「えっ?」

「…君がいてくれて、どんなに心強かったか…君の言葉に勇気づけられたか…。君は、ボクは強い人だって何度も言ってくれたけど、本当は、泣き虫で、大きなお世話ばかりしてて、自信なくすこともいっぱいあって」

バンダナワドルディはそう言うと、

「今のボクがいるのは、君がいてくれたお陰だよ…?」

と、ワドルドゥの手を握った。


「…!」


…ああ、やっぱり綺麗だな

ワドルドゥは流れる涙に触れようとして、

「ありがとう、バンダナ君。
そう言ってくれて…すごく嬉しいよ」

手を止めた。

…それは、僕が触っていいものじゃない

そう思ったからだ。

…でもね? と言葉を続けようとしたときだった。


「これは、もしかしたら、呪いみたいに…君を縛りつけるかもしれないことなんだけど…」

バンダナワドルディが、何やら彼に似つかわぬことを言う。

「えっ?」

呪い? 縛る…?

「もし、嫌だったら、…ちゃんと逃げてくれるかな…?」

「…?」


僕を縛り付ける、呪いの言葉…?


そう聞いてワドルドゥは考えた。

…君に迷惑をかけたから。
困らせたから。

…二度と人を好きになってはいけないという、
罪の十字架のようなもの、とか。

それなら納得がいった。


「わかったよ。…話して」

ワドルドゥは頷いた。

…君が何を言ったって、僕は平気だ。

この城を去った後も、その先でも。


そう思っていると。

「…どこにも、行かないで」

バンダナワドルディは言った。

「えっ?」

そして、

「これからも、ここで、一緒に、ボクのそばにいて…!」

そう言って、彼を抱きしめたのだ。

「…!」

「ボクは泣き虫で臆病だけど、君がいてくれたら、もっとがんばれるから…!」

「…バンダナ君…?」

「…お願い…!!」

ワドルドゥは、目を丸くしたまま、固まってしまった。

…これからも、君のそばに…?

言われた言葉を反芻する。

「え? …それが、呪い…ってこと?」

バンダナワドルディは彼に抱きついたまま、黙って頷く。

そして、そのまま顔を埋めると

「ボクも、…大好きだよ…」

と、小さな声で言った。

「!」

「で、でも!…こんなこと、言われて困るよね?…気持ちわるいよね?? だから、ちゃんと、逃げてって…言ったんだ…!!」

言葉とは裏腹に強く掴まれた手は、ワドルドゥの力ではそう簡単に振りほどけそうにない。


「…バンダナ君…」
改めて名前を呼ぶと、彼はずっと空っぽだったものが、満たされていくようだった。

 魂のない人形のようだった自分自身に、まるで新たに命が与えられたような気がした。

大切なその人を抱きしめる。


「…どこにも行かないよ」

「え…?」


「僕は、本当は泣き虫で、臆病で。そんな君が好きだよ」


「…本当に…?」


ワドルドゥは頷いた。

そしてバンダナワドルディはぐすっぐすっと鼻をすすったかと思うと、

わーっ…と、大声を上げて泣き出してしまった。

「…ありがとう。バンダナ君」

染み込む涙も、触れる体も全部、温かい。


「…大好きだよ」

そう言って、彼の頭を大切に撫でた。

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