星咲く宇宙を君と
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とりあえずお茶を淹れて、渡すと、バンダナ君はググッと一杯飲み干してしまう。少し冷めてしまっていたからやけどはしなかったようで。
「ほら、ここに座って! 」
ポンポンと隣をすすめられる。
「わ、わかったよ…」
おとなしく、そこに座る。
「いつもそうなんだ。何かある時には、大王さまとか、ポピーとかに話したり…一人でどこかにでかけちゃったり。で、ボクには何事もなかったように、こうやって優しくしてくれてさ」
「それは…」
「ボクがこんなだから、困った時に頼ってくれないんだよね…?」
「まさか!」
僕は否定すると、
「君はいつもがんばってるからね。一生懸命。
そんな君に、迷惑かけたくないんだよ。」
「なんでさ! こっちだって力になりたいって思ってるんだよ!?」
「…それは、すごく、嬉しいよ、バンダナ君」
「だったら、どうして…?」
「…確かに、僕ばかり君の話に踏み込んで、それでいて僕の話をしないのは、フェアじゃないかもしれないよね」
「…うん。そう思う」
バンダナ君が頷く。
「だけどね? どんなに…信頼してても、話せない…話さないほうがいいことだってあるんだ」
「…!」
暫くの沈黙のあと、
「そっか」
バンダナ君が口(?)を開く。
「バンダナ君?」
「…ボク、もっとしっかりしなきゃね。君が話したいって思えるくらい。
話しても大丈夫だって、思えるくらいに。
そうなってから、言うべきなのに…」
「え…」
言葉に詰まる。
「…ごめん…」
涙が頬を伝う。
そうか…。
そっとしてほしい、なんてお節介な君には一番苦手なことだったな…。
でも、それで君が謝るなんて、おかしな話だ。
いつだって、君は間違ってなんかいないのだから。
「…あのね、バンダナ君」
「…?」
「…大丈夫。君が…もっとしっかりしなきゃとか、強くならなくちゃとか。そんな必要はないよ」
「え?」
「今から、ずっと話せなかったことを話すね」
「え?」
バンダナ君の顔が輝いた、
「もちろんだよ! 話してよ!」
「…でも、」
「?」
「もし、怖いとか、気持ち悪いと思ったら、ちゃんと自分を守ってね…?」
「え?」
バンダナ君が硬直する。
身を守る…?
「…どういう、こと?」
「そのままの意味だよ」
「? ボクに関係することなの?」
僕はゆっくりと頷く。
「…」
バンダナ君は、キリッと眉を鋭角にする。
「わかった、聞くよ!」
…ああ、終わりが、はじまる。
そんな声が聞こえて来た。ーー
(つづく)