星咲く宇宙を君と
Kirby Fanfiction site
6
★
「バンダナ君、こんばんは」
「ドゥさん…」
バンダナ君の表情は暗かった。
「ごめんね。無理しなくていいよ。今日はもう寝たら」
「えっ?」
「無理って? そんなわけじゃないけど… 今夜は一人でいたい気分なのかい?」
だったら遠慮するけど、と
「違う。そうじゃなくて…」
「じゃあ、入って? 少しだけ、聞きたいことあるから…」
「? わかった」
バンダナ君が「少しだけ」って言う時は、全然「少し」なんかじゃない。何か深刻な話かもしれない。
パタン
ドアをしめる。
「…お休みは、ゆっくりできた?」
「うん。たまにお城の外に出るのもいいものだよ」
「そう。よかった…」
「なんだか、最近悩んでた気がしてたんだ」
「えっ」
「そう?…僕はこういう顔だから、表情はわかりにくいと思うんだけど」
「わかるよ…。声のトーンとか、声かけたときの反応とか。いつもと違うなって。」
「そんなことで?」
「もちろん。これだけ一緒にいるんだもの。当然だよ…」
「…そう…」
…それは、ちょっと分が悪いかもしれないな。
特に今日は。
あまり長居しないほうがいい気がする。なんとなくそんな予感がした。
お茶のポットを置いて、
「今日は大王さまとどこへ行ったのかい?」
と質問をする。
「…」
「ワドルディ隊をポピーに任せると大変なことになるんだけど、今回はどうだったかなぁ」
「…」
「でも最近は、彼も学習してて、少しは扱い方を」
「そうじゃなくてさ!」
急に声を荒げるバンダナワドルディ。
「えっ?」
ワドルドゥは驚いて振り返る。
「ボクは、君の話が聞きたいんだよ…!!」
「え、え…?」
「いつも、ボクの話ばかりして、ごめんね。いつも、つい、何でも話しちゃって…なのに、君の話はいつも後回しで…」
怒った後に、謝って、泣きそうになって。
ちょっと情緒不安定になっているのだろうか。
「バンダナ君?」
心配して駆け寄る。
「いや、そんなこと全然気にしてないし。…どうしたの?」
「ほら!!またそうやって…!」
「う、うん…??」
バンダナ君が僕の腕を掴んだ。
「今日は、ちゃんと話してくれるまで返さないからね!?」
まずい、お節介スイッチが全開だ。
やっぱり、彼の「少しだけ」は、少しなんかじゃない。
なんだか、すごく困ったことになったかもしれない。