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4

★★★



「休みをとりたいって?」



城の屋上で景色を見ていたデデデが振り返った。



「はい」



「そりゃかまわんが、…どうかしたのか?」



「久しぶりに家族に会ってこようかと」



「そいつは本当か?」



でっちあげた理由がバレる。



本当は、ここに来たときに両親とは勘当状態で、すこし離れた兄がいるくらいだった。

一応、兄には会ってこようとは思っている。



「本当です」



一応本当なので頷く。

デデデは面白くなさそうに、景色に向き直ると



「だめとは言っとらんからな? 休みぐらい好きなときに取ればいい」



「申し訳ありません」



深々とお辞儀をして、踵を返した。



「…お前、最近疲れてるだろ」

デデデはぼそりと言った。

​​

一瞬、ワドルドゥ隊長の足が止まる。



「まあ、久しぶりの休みだ。ゆっくりしてこいよ」



「…ありがとうございます」



「…」

デデデは、その背中を見ながら、彼の『本当の』事情について思考を巡らせる。

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