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★★★
朝になって、

バンダナワドルディは目を開けた。

そばには頭痛薬と水。

「あれ、…ボク、皆で飲み会してた途中…じゃ…」


片付けは?

ちょっとモヤモヤすることがあったから、いつもより飲んだ気がする。 でもそんなに二日酔いのような症状はなくて…

走ってその部屋に行くと、すでに片付いていた。

「大王さまが、片付けは明日な…って言ってた…はず」


そんなことを思ってるうちに、少しずつ、じわじわと
記憶が戻ってきた。

…は? 待って…僕…確か…

「!!!」



「ポピー!!」

「おー、おはよー」

「あの…昨日のこと、なにか覚えてます…?」

「昨晩のこと?」


「あー!」


「お前、傑作だったよ? ドゥのやつにウザ絡みしてチューしちゃったりして。案外その手もイケるんだな!可愛らしかったぜ〜!」

「!!!」
やっぱりそうだった!!

真っ青になって、改めて真っ赤になって、

「ま、あいつは嬉しかっただろーからあんまり気にしなさんな…ってあれ?」

もういねーや、とポピーが呟く。

バンダナワドルディはポピーの話など聞いておらず、ワドルドゥ隊長のところに駆け出していた。 


★★★
待って、どうしよう。
確か、僕も女の子に生まれたかった…とか大王さまとお付き合いしてるカービィが羨ましいとかとんでもない話をした記憶がある!!


ドゥ隊長はワドルディ隊の皆に「こくご」の授業をしていて、それが一段落したところにバンダナワドルディは突撃した。

「え、覚えてないの?」

「うん」

「本当に?」

「うん、本当」

ワドルドゥは昨晩のことをほとんど覚えてないらしい。
「そうなんだ…」
ぽつりとつぶやいた一言に、チクリとトゲが刺さったように感じた。


…え?

忘れてほしかったのだから、ほっとしているはずなのに、これは、何…?

「?」
ドゥがその表情に気づいてこちらを見ている。

そうだ、助かったんだ。

「…よかった。次からはお酒を飲む時は気をつけるよ」

…恥ずかしいけれど、
誰かに…いや、彼には知っていてほしかったような。そんなことを思ってしまっていたことに気づく。

あのときの気持ちの続きを聞いてほしかった。

僕にとって、何でも話せる大事な仲間で、友人。

…勝手だな、ぼくは。


「じゃあ、やすみじかんが終わるから、また後でね」
ドゥ隊長は授業に戻ってしまう。尚、次は「さんすう」の時間だ。

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