星咲く宇宙を君と
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07
★
僕らは、荷物を運びながら長い間無言だった。
やっぱり、二人で運ぶのもなかなかの重量だ。
いつもならワドルディ隊数人と来なければならないくらいの。
荷物を挟んだ先にいるバンダナ君も、きっと、重いなぁと思っていながら、引っ張ってることだろう。
できるだけ力を込めて荷車を押す。
僕自身は、もうバンダナ君に話すことは何もないと思っていた。
このお使いが終わったら、次に行くところを探したり、荷物を整理したりしよう、とか…。
そんなことを考えていたら、先にバンダナ君が口を開いた。
「…君は、覚えてないと思うけどさ、」
「え?」
僕は顔を上げる。
「ぼくらって、一回会ったことがあるんだよね、
君がここに来る前に」
「…え…?」
「街を歩いてるときに、本をたくさん抱えた人がいて…一冊落としたのに気づいてなかったから、拾って渡したんだ。その人、君にすごくよく似てて」
「…!」
それは…
「拾った本が、ボクの大好きな本だったから、つい話しかけちゃって。 」
まさか…
「またどこかで会えたらいいなって、思ってたんだよ」
そう、忘れもしない…僕が君に初めて会った日のことだった。
…覚えてくれてたっていうのか。あんなこと…
「そしたら、お城に来た人が、君で…!
ワドルドゥ族にしては、立ち居振る舞いがゆったりしてるところとか…瞬きの仕方とか、やっぱりあの人だなーって思ったんだ…」
「…でも、ちょっと話しただけだったし…覚えてないかもって。そんなこと言われても困るかなって、なんとなく話せなかったんだ」
「…」
僕は迷っていた。
そのことを、僕もずっと覚えてるよって。話すかどうかを。
「それで、…あ、待って。」
「?」
僕は荷車を押す足を止める。
「続きは…あとで話そっか」
「?」
前を見ると、ワドルディ隊の子たちが集まってきていた。
『大王さまが、量を、間違えてしまったそうです!』
『二人では大変なので、大急ぎで来ました!』
『僕らも一緒に運びます!』
やっぱりか、と僕は思った。
僕に仕事を与えるために、とっさの思いつきでしたのだとわかっていたから。
この大量の牛乳に使い道があるのか、ちょっと心配だけど…
残りの坂は皆で、わいわいと運んだのであっという間だった。