星咲く宇宙を君と
Kirby Fanfiction site
Title
You can get more out of your site elements by making them dynamic. To connect this element to content from your collection, select the element and click Connect to Data. Once connected, you can save time by updating your content straight from your collection—no need to open the Editor, or mess with your design.
Add any type of content to your collection, such as rich text, images, videos and more, or upload a CSV file. You can also collect and store information from your site visitors using input elements like custom forms and fields. Collaborate on your content across teams by assigning permissions setting custom permissions for every collection.
Be sure to click Sync after making changes in a collection, so visitors can see your newest content on your live site. Preview your site to check that all your elements are displaying content from the right collection fields. Ready to publish? Simply click Publish in the top right of the Editor and your changes will appear live.
05
★★★
「…大王さま、おはようございます」
「今度はお前か、バンダナ。どうした?」
「…今度は?」
しまった、と大王は口を噤む。
「あの、ワドルドゥ隊長がこちらに来ましたか?」
「ああ、ついさっきな。あいつなら、さっき雑用を頼んだから外出してるぞ?」
「雑用? …彼にですか?」
…いつもなら僕に頼むのに?
バンダナワドルディがそう思うのは予想の範囲内だったようで、デデデは、
「…ちょっと急ぎだったんでな。先に来たやつに任せたってだけだよ」
と付け足す。
「そうですか…」
「で、どうしたんだお前は?」
「隊長は、何か、相談などされてませんか? 大王さまに…」
デデデは、少し考えると
「なんか心あたりでもあるのか?」
と返す。
「…はい。話したいことがあるので、場所を教えてくれませんか?」
デデデは驚くと、
「話ってお前…、帰ってきてからじゃいかんのか?」
「できるだけ早い方がいい気がするんです」
デデデは、先に行かせたワドルドゥのことも気になっていたが、バンダナワドルディはバンダナワドルディで、思い詰めた表情をしていて、心配だった。
「…よしわかった。何があったのか、オレさまに話すのなら教えてやる。嫌なら、おとなしく待ってろ。な?」
「…分かりました」
デデデはホッとした。
それはてっきり、このまま待ちますという意味だと受け取っていたからだ。
が、
「彼に、好きだと言われたんです」
「!」
デデデは目を丸くして振り返る。
「ずっと好きで…ここに来たのもボクと働きたいからだって。大王さまご存知だったんですか…?」
デデデは、観念して
「…ウチに来たときに、聞いてた話だな」
白状する。
「なぜ、ボクには内緒に…!?」
「本人が、話さないでほしいと言ってたからだよ」
デデデはこう見えて人情に厚いところもあり、部下や友人から知り得た秘密は守る主義だった。
バンダナワドルディもそのことはよくわかっている。
「…そう、ですか…」
とはいえ、長年の付き合いもあるからこそ、自分に関わることを話してもらえなかったのは、なんだか寂しい気がしていた。
「…」
デデデは、表情を曇らせてしまった部下に、かける言葉が浮かばず、考え込んでいた。
が。
「大王さまなら、どうされますか? こういう場合」
「い゛!?」
デデデは全く予想外の質問に、(お決まりの)リアクション芸の如く顔がひきつった。
そして、
「いや、それはお前の問題だろ!? オレさまに聞いてどうする!」
と、大慌てで抗議した。
「もちろん、自分で決めます。でも、参考にしたいんです」
バンダナワドルディは真剣だった。
「…そう言われてもなぁ」
「お願いします!」
バンダナワドルディは頭を下げた。
「…もし、わたしやポピーに、あなたのことを好きだって言われたら…?」
「!」
なぜか、無関係なポピー(ブラザーズSr.)まで巻き添えを食っているが…それはさておき…
「…」
デデデは腕を組み、
そっぽを向くと、
「…嬉しいに決まってるだろ、そんなの」
と小さな声で言った。
「本当ですか!」
バンダナワドルディの顔が輝く。
デデデは慌てて、
「結婚しろと言われたら、断るぞ!?」
と付け足す。
「それはご心配なく!!
大王さまには、カービィという…素敵なパートナーがいらっしゃいますから!」
バンダナワドルディが笑顔になり、いつもの元気を取り戻したようだった。
「もし、ご結婚ということになれば…国を上げて盛大に披露宴を…!」
「ええい、オレさまの話は、もういいだろう!」
デデデは怒鳴った。
バンダナワドルディは我に返って、
「はっ…す、すみません。つい、熱くなってしまいました…」
「ドゥの行き先は、グルメットの農場だ。牛乳を切らしてたから注文したんだが…一人ではちと厳しいかもな…?」
「!それでは…」
「ああ。お前も行って、手伝ってやってくれ」
「かしこまりました!」
バンダナワドルディは走り出した。
「…まったく…勘弁してくれよ…」
デデデは真っ赤になって顔を覆った。